弱者のためのボン教ゾクチェン瞑想

シャンシュン・ニェンギュの教え

法話会を支える人々その1

 私は長い間ネパール、インド、チベットを渡り歩き、ゾクチェンの瞑想修行をおこなってきました。いつもたくさんのチベット人の高僧や活仏たちのなかで生活してきましたから、とりたてて彼らの存在に驚くことはありません。

 

 ですが、一般の日本人なら彼らに出会うことは特別なことで、めったにない機会です。ですから、法話会などで高僧や活仏を目の前にして興奮して我を忘れてしまうことは仕方がないことかもしれません。

 

 ここ数年は毎月のように日本のどこかにチベット人の高僧が招かれ、法話会や伝授会がおこなわれています。こうしたイベントはネットで検索できますし、SNSで情報が拡散されています。

 

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フランスでの法話

 

 どの高僧のお話や法話も素晴らしいものばかり。あなたもきっと感激すること間違いなしです。そして日本に来てくれた高僧たちに感謝する気持ちが心の中に生まれることでしょう。

 

 それは素晴らしいことなのですが、こうしたイベントを支えてくれる人々のことを忘れないようにしたいものです。それは、主催者、通訳者、翻訳者、スポンサーです。

 

 主催者は来日ビザの手配、会場の確保、ラマの宿泊地の手配、食事の準備、ラマの衣類の洗濯、イベントの告知、空港への出迎えと見送りなどたくさんの業務をこなさなければなりません。

 

 来日のためのビザがおりるかどうかは運任せ。ビザが支給されないこともあります。そうしてイベントが中止になったら、会場や航空券のキャンセル手数料は主催者が負担することになります。

 

 運よくイベントが開催可能になっても、参加者が集まるかどうか、参加費で必要経費がまかなえるかどうか、悩みは尽きません。実際、毎回なんらかの費用が持ち出しになります。

 

 どんなに主催者が努力しても、ときにはイベントの運営が上手くいかないことがあります。そうしたとき、「教えを説いてくれたラマは素晴らしかったのに、運営者がダメだった」なんてことはいわないでください。

 

 あなたは参加費を払っているからお客さんのつもりでいるかも知れませんが、そのお金は会場代や航空券代といった経費や、ラマへの謝礼で消えてしまいます。主催者がお金儲けしているわけではないのです。

 

 主催者は善意だけでイベントを運営しています。しかも助力を呼び掛けても、お手伝いしてくれる人はほとんどいません。

 

 意外に思われるかもしれませんが、チベット人ラマのなかには主催者の労をねぎらうことをしない方もいらっしゃいます。それはチベットの習慣による場合もありますし、ラマたちがイベントの裏方のことをご存じない場合もあります。そういった理由から、主催者はラマと参加者の板挟みになることもあります。

 

 もしもイベントの運営で不服があったら、ぜひ次回のイベントのときに主催者のお手伝いをしてあげましょう。あなたが一つでも業務を担ってくれれば、イベントは成功にまた一歩近づくでしょう。

 

 あなたはきっと知らないでしょうが、主催者は善意だけでリスクいっぱいの法話会を運営しています。ハイリスク、ノーリターンなのです!イベントが終了したときには、主催者に感謝の気持ちを伝え、少なくとも悪口や非難はしないようにしたいものです。

 

 つづく。

 

 

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