弱者のためのボン教ゾクチェン瞑想

シャンシュン・ニェンギュの教え

法話会を支える人々その2

法話会を支える人々のなかでも、とりわけ通訳者と翻訳者の存在は欠かすことができません。どんなに素晴らしいチベット人の先生が来日されても、言葉が分からなければ、せっかくの素晴らしいダルマの教えもチンプンカンプン。

 

 

昨今のチベット人の高僧たちは、外国語、特に英語をとても上手に話されます。また、フランス在住ならばフランス語を、イタリア在住ならばイタリア語を話されます。

 

 

日本在住の先生方なら、日本語を話されることもあります。しかし、一般的にチベット人の先生方は日本語を話されません。チベット人の高僧は日本語を学ぶ機会もなかなかありませんし、日本語で教えを説く機会もなかなかないからです。

 

 

そうなると、教えは英語やチベット語で説かれることになります。最近は中国語で教えを説かれる場合もあります。参加者がこうした外国語が堪能でないのならば、通訳者の力に頼る他ありません。

 

 

通訳者は英語やチベット語や中国語の法話内容を、即座に日本語に通訳してくれます。一見するとごく当たり前のように思うかもしれませんが、とくにチベット語の通訳は並大抵のことではできません。その習得が難しいのです。

 

 

英語や中国語といった人気のある外国語ならば、日本語で書かれた文法書や辞書が簡単に手に入ります。ところが、チベット語の場合事情は大きく異なります。

 

 

たしかに日本語で書かれたチベット語の文法書や辞書も、現在なら数点あります。旅行会話くらいならそれで十分ですが、込み入った話や法話を通訳するとなると語彙などの点でどうしても足りないのです。

 

 

私がチベット語を学び始めたとき入手できたのは、たったひとつの蔵英辞書(Tibetan-English dictionary)だけでした。しかもそれは、100年近くもまえにインド人のチベット学者が編纂したもので、文字が小さくつぶれていて、とても使いづらいものでした。

 

 

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目がしょぼしょぼしてしまう・・・。

 

 

いま法話会で通訳してくれる人々の多くが、大変な苦労の末チベット語を習得してきたのです。日常会話ぐらいならそれほど難しいことではありませんが、高度な密教やゾクチェンの教えを正確に通訳できる人は、数えるほどしかいらっしゃいません。

 

 

また、法話会によっては、本格的にチベット語経典の日本語訳が配布されることがあります。こうした翻訳をしてくれる方々も、通訳者と同じ苦労をしています。

 

 

こうした人たちはチベットの文化に愛着がありますし、少しでもチベットと日本の橋渡しをしたいという気持ちで、ほとんど手弁当で通訳をかってでているのです。

 

 

くりかえしますが、チベット語は大変な苦労によって習得されます。とくに高度な教えや瞑想を通訳したり、その経典を翻訳することは大変な時間と労力がかかります。なぜならば、辞書も資料もなかなかいいものがないからです。

 

 

通訳してくれる人も、翻訳してくれる人も、善意だけで大変な仕事を引き受けてくれるのです。でも、私がいろいろな法話会に参加するたびに思うのは、あまりに通訳者や翻訳者に対してみなさん冷たいということ。

 

 

参加費を出しているから、通訳するのはあたりまえ、お経を翻訳するのはあたりまえと、みなさん考えているような気がしてなりません。私自身いままで何度かチベット語の通訳をかってでたり、経典の翻訳を提供してきましたが、その度ごとに、いや~な気持ちに包まれまれた経験があります。

 

 

もっと、通訳してくれる人や翻訳してくれる人に対して敬意を払いたいものです。悪口を言うのはやめて、感謝の気持ちを伝えましょう。そして、彼らが仕事をしやすいように道を開けたり、資料を配布したりすることを手伝いたいものです。

 

 

彼らが通訳や翻訳することを止めたら、あっというまに全滅。チベットのダルマの教えに接する機会がなくなります。彼らの代わりは、どこにもいないのですから。

 

 

 

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