心の完成は長い道のりです。「せっかく始めたブッダの瞑想でも、死ぬまでのあいだにゴールにたどり着けないかもしれない。いままで励んできた勉強や瞑想が無駄になるのでしょうか?」。
長い人生の末、年を取ってからようやくブッダの教えに出会えた人もいます。本物のブッダの教えに出会えた幸せを感じるとともに、この先に残された人生の時間を省みると、不安に感じることもあると思います。
ブッダの教えにまつわる本を読んだり、法話に耳を傾けたり、マントラを唱えたり、瞑想をしたり。この人生が終わりを迎えるまえにゴールにたどり着けない場合、これまでの努力や瞑想は無駄になってしまうのでしょうか?
「もし生まれ変わったらすべての功徳がリセットされるなら、瞑想などやめてしまった方がいい。好き放題に生きた方がいい」と思うかもしれません。でもご安心ください。
なぜならば、「功徳やよいカルマ」は繰り越しできるからです。たとえ修行の途上で人生が終わりを迎えたとしても、功徳やよいカルマはアラヤ識という心の奥底の部分に保存されます。
功徳やよいカルマは、来世へと持ち越され、その地点から瞑想修行をスタートできるのです。経典『シャンシュン・ニェンギュ』で説かれている内容を要約すると、以下のとおりになります。
「その場合にも、低い能力のままの生まれ変わったときには、またラマに出会い、加行から始める必要があります。集会樹を目の前に思い浮かべながら、マントラを唱えたり、五体投地をおこなうのです。
中ぐらいの能力をもって生まれ変わることができたら、加行を飛び越えて、すぐにゾクチェンの瞑想から始めることができます。優れた能力を持って生まれ変わることができたら、自分が何をすべきかすぐに思い出し、誰にも教わらずに心の本性に留まり続けることができるのです」。
財産や名声や地位は決して来世に持ち越せません。ですが功徳やよいカルマはいくらでも来世に持ち越せるのです。ちょうど携帯電話でギガ繰り越しできるように!
そういったわけですから、今日からでも安心して瞑想を始めてください。功徳を積んだり、瞑想するのはいつ始めても遅くありません。あなたの良いカルマはギガ繰り越しできるのです。
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