ゾクチェンの教えを日本で伝授している箱寺です。ゾクチェンの教えやチベット瞑想について執筆しています。よろしくお願いいたします。
あかわらずモンゴルにいます。ラマたちの都合でしばらく時間が空いたので、『Masters of the Zhang Zhung Nyengyu』という本を読み始めています。この本は『シャンシュン・ニェンギュの教え』の系譜に連なる古代の成就者の伝記です。
その序文の中で、ボン教の護法神である「ニパンセ」について興味深い記述を発見しました。それによると、タピリツァの弟子のナンゼル・ルーポはその神通力によって、二柱の強力な古代の精神生命体を調伏し、『シャンシュン・ニェンギュの教え』を保護することを誓わせたそうです。
そのうちの一柱が「ニパンセ」と呼ばれる神で、この神はシャンシュン王国のみならず、中央アジアやチベット、シベリアでも別の名前で崇拝されていたそうです。もう一柱はその妃で「メンモ・クラマザ」と呼ばれています。
この二柱は『シャンシュン・ニェンギュの教え』とその修行者を、今も守り続けているそうです。
この「ニパンセ」はユーラシア大陸に存在したさまざまな古代宗教と関係があるそうです。どうです、とても興味深い話でしょ!詳細は、『Bө and Bön :ANCIENT SHAMANIC TRADITIONS OF SIBERIA AND TIBET IN THEIR RELATION
TO THE TEACHINGS OF A CENTRAL ASIAN BUDDHA』を参照とのこと。
この本の中では、護法神だけでなくボン教のさまざな文化とシベリヤやブリヤートシャーマニズムとの関係性も詳細に調査・比較されているようです。とても分厚い本なのでまだ私は読むことができずにいます。
チベットの文化というと、ダライ・ラマやチベット仏教がまず初めに思い浮かぶことでしょう。しかしもっと古い文化がボン教の中に保存されていて、それは太古の人類の智慧へとつながっているのです。
ボン教はチベット文化だけに収まり切れない魅力を秘めているのです。それにしても誰か、『Bө and Bön』を日本語に翻訳してくれないでしょうか?興味のある方は、私にぜひご一報を!
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