弱者のためのボン教ゾクチェン瞑想

シャンシュン・ニェンギュの教え

天空のヒマラヤ部族とゾクチェン

ゾクチェンの教えを日本で伝授している箱寺です。ゾクチェンの教えやチベット瞑想について執筆しています。よろしくお願いいたします。

 

 

3月8日(日)にテレビ特番として放映された「天空のヒマラヤ部族」。ロケ地となったのは、ヒマラヤの奥地ドルポです。このドルポ地域は完全なチベット文化圏である上に、古いチベット文化をいまも色濃く残しています。この地域で信仰されているのは、ボン教チベット仏教ニンマ派(古派)だけだそうです。つまり、チベット仏教新訳派として知られているサキャ派カギュ派ゲルク派はほとんど、もしくはまったく入ってきていないそうです。

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ドルポはいまはネパール領になっていますが、もともとはチベットの一部でした。でも、チベットが国として大きく成長したのはだいたい八世紀のことです。それまでチベットはラサ周辺だけの国土しかなかった小さな国だったのです。では、八世紀よりまえはどうだったのでしょうか?こんなこと、きっとチベットマニアでも知らないことでしょうね、フフフ。

 

 

ドルポがチベットに飲み込まれるまえ、この地域はシャンシュンの一部だったといわれています。シャンシュン王国は実在した国で、数々の遺跡が発掘されていますし、チベットや中国の古文書に記されています。ですから、ドルポの人々(特にボン教徒たち)は、自分たちがシャンシュンの末裔だということに誇りを持っているのです!シャンシュンは、チベットよりもはるかに古い歴史を持つ中央アジアの国ですから。

 

 

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ドルポの短い夏

 

このシャンシュンでは、ボン教が広く信仰・実践されていました。その一部であったドルポは、とくにゾクチェンの教えと深い結びつきがありました。ボン教のゾクチェンの教えの中には『シャンシュン・ニェンギュの教え』があります。『シャンシュン・ニェンギュの教え』とは、「シャンシュン王国由来の口伝」といった意味です。

 

 

この『シャンシュン・ニェンギュの教え』は他のゾクチェンの教えと異なり、埋蔵経として隠されたことがありません。つまり、ブッダ・タピリツァから私たちの根本のラマであるヨンジン・リンポチェまで、系譜や教えがまったく途切れることなく伝承されているのです。極めて特異なゾクチェンの教えなのです。

 

 

そしてドルポ地域は、この『シャンシュン・ニェンギュの教え』が歴史上で伝承するなかで大変重要な場所でもありました。たくさんの成就者がこのドルポ地域で教えの伝授を受け、修行し、虹の身体の成就を得たからです。

 

 

『シャンシュン・ニェンギュの教え』は、数あるゾクチェンの教えの中でもとくに優れた教えです。テクチュとトゥガルという二元論的な用語を用いることなく、本然の境地をそのまま説いた教えです。この『シャンシュン・ニェンギュの教え』に出会えたあなたは、計り知れないほどの幸福なのですよ。

 

 

どんな苦しいことや辛いことがあっても、『シャンシュン・ニェンギュの教え』に出会えた幸福を、決して忘れないでください。そして、あなたの心の支えにしてください。私自身いつもそうしていますから。

 

 

それではまた!

 

 

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