弱者のためのボン教ゾクチェン瞑想

シャンシュン・ニェンギュの教え

90万回加行を満了されたAさんのレポート

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Aさんの愛読書

三宝に帰依します。

 

東京の瞑想教室やZOOM教室にご参加いただいているAさんから、3月14日の月曜日にメールをいただきました。3月12日の土曜日にボン教の90万回加行を満願されたと、そこには書かれていました。

 

Aさんがどのようにして加行を始められたのか、どのように仕事と加行を両立されてきたのか、どのような心の変化があったのか。こうしたことをAさんがレポートにまとめてくださいました。

 

加行を始めたい方、加行に励んでいる方、加行を終えた方にもとても役に立つ内容です。ぜひ、ご覧ください。

 

箱寺先生

加行を終了致しました。2014年4月21日~2022年3月12日で8年間の時間が過ぎ去りました。加行を本気で終わらせようと考えたのは、3年前で、あとはマンダラ供養と五体投地5万回となった時でした。その後、後述するように新型コロナ騒ぎで在宅勤務も選択できる状況となり、夜だけではなく、朝も加行を行うことができたことは幸運でした。


実は朝7時から8時の間に勤務を開始している関係で、どうしても6時30分には自転車で会社に行く必要があり、理想としてはグルヨーガとポアをやって仕事に行きたいところですが、これが厳しい。しかし、在宅で仕事も可能となれば、朝の時間で加行ができる。これは実にラッキーです。ということで、朝はマンダラ供養をしていました。

 

 

最初に瞑想教室に参加したのは、2013年12月21日(土)で、場所は、北新宿の生涯学習館、近くの北新宿公園では野球などしている子供たちがいたことを思い出します。そして何度か教室に通うようになり、鈍いワタクシも、「箱寺先生は、加行を始めなさいと言っている」ことを理解し始めました。

 
「よし、とりあえず始めてみるか!」ということで、実際に加行を始めたのは、2014年4月21日からで、発菩提心から始めました。そして、加行を始める前に箱寺先生と教室が終わって帰宅する際の会話を思い出します。

 

  • Aさん「90万回の加行を終了するには、どのくらいで終わりますか? 20年もあれば終わるでしょうか?」
  • 箱寺先生「いやいや、20年はかかりませんよ」
  • Aさん「では、10年ぐらいでしょうか・・・」

 

10年ではなく8年で加行は終わりましたが、新型コロナ騒ぎがなければ、多分1年は伸びたと思います。実は、在宅勤務が可能となり、箱寺先生が、2020年4月27日、ゴールデンウイーク前のYoutubeで、「この機会を無駄にしないようにしてください。加行やポアや集中力を研ぎ澄ます瞑想などに取り組んで下さい」とのメッセージを寄せて下さったこともあり、仕事をサボって加行を行いました(笑)。

 
在宅で自宅にいるので、ちょっとした空き時間をみて、チョコチョコと加行を行いましたが、仕事には全く影響なく、順調に回数をこなすことができました。ある意味、(不謹慎ですが)新型コロナに感謝です。

 

加行の難関は、マンダラ供養でした。10万回は厳しい~なかなか回数をこなせず、時間もかかるものですから、精神的にも消耗しました。箱寺先生から、アルミ製のマンダラ供養台と、重厚感のあるマンダラ供養台を購入させて頂きましたが、加行ではもっぱら、重い方のマンダラ供養台を使っていました。

 
毎日、マンダラ供養を行っていると、供養台を持つ左腕が痛み出し、湿布薬を貼りながら、タイガーバームを塗りながら、腕の状態を見極めながら供養しておりました。

 

また、Youtubeチベット仏教のマンダラ供養を観る機会があり、最初はいかにも、厳かに供養していますが、途中からは、マンダラ供養台に、お米をパラパラこぼして、マントラを唱える、ハイこれで1回のご供養~というような様子が描かれており、「これじゃあ、10万回のマンダラ供養は、すぐ終わるだろう…」と。手抜きじゃないの?(笑)【箱寺注:お米をパラパラこぼすやりかたはボン教にもあります】

 

さて、マンダラ供養が終わったのは、2021年12月。あとは五体投地が残るだけとなりましたが、実は若い頃、自衛隊におり股関節、膝などを痛めていたこともあり、私にとっては、五体投地はかなり痛みを伴う修行です。

 
五体投地を一度に200回以上行うのは、無理なのですが、加行の一部をやり直そうと思っていましたので、やり易い3種の真髄マントラ五体投地を組み合わせて行うこととしました。


①    グルヨーガとマントラ100回
②    五体投地 200回
③    百音節真言 100回
④    五体投地 200回
⑤    真髄マントラ その一 300回
⑥    五体投地 200回
⑦    真髄マントラ その二 300回
⑧    五体投地 200回
⑨    真髄マントラ その三 300回
⑩    五体投地 200回
⑪    時間があれば、寝る前にマンダラ供養とチュウ瞑想

 

以上のように、五体投地を200回やり、マントラで一休み(笑)してから、また五体投地を行うことで、膝などへの負荷を軽減できるようになりました。

 

集中して加行を行う時間を見出すのは困難なので、上記のプロセスを、分散化することができることから、肉体的にも時間管理の観点からも非常に有効・有益でした。これで、回数をこなすことができるようになり、仕事も平常状態に戻る中でも、順調に実施できたことは、個人的にも満足感を得られるなど、心理的な効果があったと思います。

 
逆に土日や祝日は、休日出勤も恒常的にあることもあり、サボることが多く、平日の仕事が終わった後や、合間時間に集中してやれたことが、逆に不思議ではあります。

 

加行を一通り終わってから思うことは、現役で働いていても加行は3年程度で終了させることが重要だろうと感じます。加行は、ある一定期間に集中して行うことが肝要かと。

 
ボン教のお坊さんのように数ヶ月で加行を終わらせるのは、「本当に浄化されるの???」と思いますが、先生のように1年数ヶ月、若しくは2年3年程度の時間を経た方が、加行の効果が熟成する適切な期間ではないかと漠然と感じます。

 
まあ、チベットのお坊さんは、子供の頃から加行をやっているようなものなので、多分に形式的なものなのでしょう~

 

ナムカイ・ノルブ師著の『虹の水晶』第七章121ページには、加行を2回行った事が記されています。「そもそも密教の修行を許されるためには、一連の加行を終わらせる必要がある。加行は、現在では四つの土台の修行とも呼ばれている。それは、これから修行を始めるのに、欠けている能力を育てるためのものだ。あるレベルの密教を修行するために、加行が必須の条件として要求されているのは、伝統にもかなっているし、紛れもなく正しい。私自身は教育の過程で、二回の加行を終えた。四つの宗派の全てにおいて、加行は、高度の修行に近づいていくための、必修義務と考えられているのである」。

 

冒頭ご報告の通り、加行の回数90万回はこなしましたが、一番重要な「成就の印」が現れていません。加行中も、まばゆい光が現れるとか、夢に仏様とかタピリッァが現れるとか、奇瑞は一切現れず(笑)、まあ、淡々としたものです。

 

しかし、加行90万回を終わらせることができたこと自体が、仏様のご加護があった証拠なのだと思い込むようにしています。何もなければ、加行を始めても途中でやめてしまうのが、ごく普通のことではないでしょうか。仕事や日々の生活をしていれば、時間はそれなりに過ぎていきますし、先生がおっしゃる通り、人生あっという間に終わり、になります。

 
それが、大勢の人生ですね~不肖、このワタクシは、先生に出会えて、加行を一通り終わらせることができて途轍もなく運が良い!!

 
書籍『光明の入口』には、以下のように書かれています。

「保育園で遊んでいたちいさな子供だったあなたは、それからすくすくと成長し、今まで勉強や仕事に没頭してきた。なにが得られただろうか。よく考えてみなさい。今こうして、ブッダの教えに出会い、その教えを修行できていることこそ、今まであなたが生きてきた人生がもたらした良い結果なのだよ。ブッダの教えに出会い、その教えを修行することこそが、本当に価値のある人生の送り方というものだ。かけがえのない自分の人生について深く省みれば、あなたの人生のあちこちに、今まで積んできた功徳の結果を発見できるだろう」

 

人生の不思議といいますか、先生にお会いできたことと、ボン教の加行とゾクチェン瞑想に取り組めていることは、本当に稀有なことだと。この人生を与えてくれた両親とご先祖様に感謝しかないです。

 

そして、今後も毎日加行を行っていく決意です。加行を生涯続け、成就の印、浄化の印を得て死にたいです。

 

同じく『光明の入口』には、「ブッダが悟った内容とは、苦しみは浄化可能だということだ。つまり、苦しみに取り組む方法が存在するということを、彼は悟ったのだ。それには、長い時間がかかるかもしれない。だが、心の穢れと障碍をすべて浄化することが可能なのだ。心の穢れを浄化することができれば、それこそ本当の喜びであり、まぎれもない幸福なのだよ」とあります。リンポチェのこのお言葉が、心の拠り所であり、加行を続ける堅固な基盤となっています。

 

実は、私は6月で還暦となり、定年となります。定年前に加行を終わらせることができて、本当に良かった。「この人生の内に一度は加行を達成するように」との先生のお言葉に添うことができました。

 
もう、残された時間は少ないので、加行とゾクチェン瞑想に絞り、時間が許す限り、専心する所存です。

 

『虹の身体の成就者たち』の序文11ページには、「私たちボン教のラマたちはいつも、さまざまな方法で自分の穢れを浄化することが必要だと説いている。しかし、本書では本然の境地だけが説かれている。だから、わかりやすい教えに思えるかも知れないが、実際にその悟りに到達する道はとても険しい」と書かれており、私に必要なのは、まだまだ加行を続けて穢れを浄化することです。

 
また、マンダラ供養とチュウ瞑想による功徳も積みつつ、ポアも忘れずに、思考を追わないゾクチェン瞑想を行うことが最重要と認識しています。

 

最後に…毎朝ご先祖様にお線香とお水を供養する際に、「この貴重な人生を与えて下さり感謝致します。生きている限り、祈りと感謝と供養を忘れません。自分の本当の姿を悟れますように~ヨロシク!」と祈っています。


そして、「我らのラマである箱寺先生がご長寿であられますように!」と。今後もご指導下さいますよう、何卒、お願い申し上げます。

 

2022年3月13日(日)
Aさん署名

 

Aさん、貴重な体験談をありがとうございました。

今後も一緒にゾクチェン道に邁進していきましょう!

 

【お知らせ】

 

今日積んだ功徳があなたのところに届きますように。