ゾクチェンに興味のある人にとっては、「心の本性」という言葉はとても有名です。心の本性とは、思考から離れた心そのもののことです。ゾクチェンについて書かれた書籍や情報のなかで、この「心の本性」という言葉をたびたび目にしたり、耳に聞いたりすることがあると思います。
ところが、ボン教のゾクチェン経典のなかでは、あまり「心の本性」という言葉は登場しません。そのかわり、「本然の境地(ネールク)」が説かれています。この本然の境地こそが、ブッダそのものだと考えられているのです。
この本然の境地とは、空性と輝きの「不二」だと記述されています。不二という言葉ととてもよく似ている言葉が、「双入」です。ところが「不二」と「双入」はまったく違う事柄を示そうとしています。
「双入」は本来別々のものをひとつに融合することを指し示しています。それは母親のもとに子供が戻っていくことに例えられるでしょう。母親と子供は、まったく異なる人物です。
「双入」は主に密教の教えと関係しています。密教の教えでは、イマジネーションを媒介にして、「空性」と「輝き」を結びつけます。本来別々にあったものを一つに統合するのですから、大変な努力や労力が必要となります。
一方の「不二」とは最初から分離することもなく、こらからも分離することのないことを指し示します。この不二は、たびたび炎と熱との関係に例えられます。炎があるところには、必ず熱が発生するからです。
「不二」は主にゾクチェンの教えと関係しています。ゾクチェンの教えでは思考の後と追わない、つまりあらゆる作為から離れるだけで、自然と「空性」と「輝き」の垣根が消滅した「不二」の境地が得られます。ですから、無努力の教えとも呼ばれるのです。
と、ここまではとても分かりやすいお話で、いろいろな本に書かれていることです。ところが、実際にはゾクチェン経典のなかでも「双入」という言葉がたびたび使われることがあります。このことは本当に重要な話ですから、次回のブログに書こうと思います。
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