弱者のためのボン教ゾクチェン瞑想

シャンシュン・ニェンギュの教え

不二と双入

ゾクチェンに興味のある人にとっては、「心の本性」という言葉はとても有名です。心の本性とは、思考から離れた心そのもののことです。ゾクチェンについて書かれた書籍や情報のなかで、この「心の本性」という言葉をたびたび目にしたり、耳に聞いたりすることがあると思います。

 

 

ところが、ボン教のゾクチェン経典のなかでは、あまり「心の本性」という言葉は登場しません。そのかわり、「本然の境地(ネールク)」が説かれています。この本然の境地こそが、ブッダそのものだと考えられているのです。

 

 

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僧院の静かな午後

 

この本然の境地とは、空性と輝きの「不二」だと記述されています。不二という言葉ととてもよく似ている言葉が、「双入」です。ところが「不二」と「双入」はまったく違う事柄を示そうとしています。

 

 

 

「双入」は本来別々のものをひとつに融合することを指し示しています。それは母親のもとに子供が戻っていくことに例えられるでしょう。母親と子供は、まったく異なる人物です。

 

 

「双入」は主に密教の教えと関係しています。密教の教えでは、イマジネーションを媒介にして、「空性」と「輝き」を結びつけます。本来別々にあったものを一つに統合するのですから、大変な努力や労力が必要となります。

 

 

一方の「不二」とは最初から分離することもなく、こらからも分離することのないことを指し示します。この不二は、たびたび炎と熱との関係に例えられます。炎があるところには、必ず熱が発生するからです。

 

 

「不二」は主にゾクチェンの教えと関係しています。ゾクチェンの教えでは思考の後と追わない、つまりあらゆる作為から離れるだけで、自然と「空性」と「輝き」の垣根が消滅した「不二」の境地が得られます。ですから、無努力の教えとも呼ばれるのです。

 

 

と、ここまではとても分かりやすいお話で、いろいろな本に書かれていることです。ところが、実際にはゾクチェン経典のなかでも「双入」という言葉がたびたび使われることがあります。このことは本当に重要な話ですから、次回のブログに書こうと思います。

 

 

 

ボン教ゾクチェン ちいさな瞑想教室 ご予約受付中!

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  • 3月24日(日)東京 初心者向け瞑想教室
  • 3月31日(日)東京 ゾクチェンの基礎知識2
  • 4月7日(日)大阪 ゾクチェン瞑想教室
  • 4月7日(日)大阪 初心者向け瞑想教室
  • 4月14日(日)東京 チベットYOGAヒーリング
  • 4月14日(日)アマナマナさん 歌うゾクチェン
  • 5月2日(木/祝)東京 ゾクチェン瞑想一日体験会

 

 

 

5月2日(木/祝) ゾクチェン瞑想一日体験会

今年もGWのあいだに、「ゾクチェン一日瞑想体験会」を開催します。場所は東京都の江東区です。都営新宿線西大島駅から徒歩1分の便利なロケーション。

 

 

いつも瞑想教室に参加されている方。いままで瞑想教室に来たことがない方。以前瞑想教室にいらしていた方。瞑想がはじめての方。チベット瞑想に興味のある方。誰でも参加できます。

 

 

内容は、青空を見つめるゾクチェンと、マントラの合唱です。どちらでも、開放感にあふれしなやかな心を体験できるでしょう。日常をしばし離れてみましょう。

 

 

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ゾクチェン瞑想一日体験会

 

 

参加費¥1,000円で、初心者にも親切に指導します!ご安心ください。詳細とお申込みはこちらからどうぞ。当日お会いできるのを楽しみにしております。

 

 

スケジュール

10:00 開場と準備

10:30 ガイダンス(初参加の方は必ず出席してください)

10:45~11:30 青空を見つめるゾクチェン瞑想(45分)

11:30~12:30 ランチタイム

12:30~13:00 マントラの合唱(30分)

13:30~13:40 休憩

13:40~14:25 青空を見つめるゾクチェン瞑想(45分)

14:25~14:35 休憩

14:35~15:05 マントラの合唱(30分)

15:05~15:15 休憩

15:15~16:00 青空を見つめるゾクチェン瞑想(45分)

16:00~16:30 シェアリングと片付け

16:30 終了予定

 

 

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4/14東京チベットYOGAヒーリング

おまたせしました。4月14日(日)開催のチベットYOGAヒーリングのご予約の受付を開始しました。場所は東京の江東区、都営新宿線西大島駅からすぐの区民センター。

 

 

世界各国で大人気のチベット体操。でも、チベットにはチベット体操はありません(笑)。チベット体操の原型だといわれているのが、トゥンコルです。

 

 

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トゥンコルの修行者たち

 

 

トゥンコルとは、魔法の輪とか魔法の動きといった意味。トゥンコルに、密教系のものとゾクチェン系のものがあります。私が伝授するのは、ゾクチェン系のトゥンコル。

 

 

このエクセサイズのなかで、私たちは水を飲む鳥になったり、ほこりを払うヤクになったり、木を切り倒す木こりになります。どのエクセサイズをやるかはお楽しみに!

 

 

チベットの世界観がいっぱい詰まったYOGAなのです!詳細とお申込みはこちらから。

 

 

 

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法話会を支える人々その2

法話会を支える人々のなかでも、とりわけ通訳者と翻訳者の存在は欠かすことができません。どんなに素晴らしいチベット人の先生が来日されても、言葉が分からなければ、せっかくの素晴らしいダルマの教えもチンプンカンプン。

 

 

昨今のチベット人の高僧たちは、外国語、特に英語をとても上手に話されます。また、フランス在住ならばフランス語を、イタリア在住ならばイタリア語を話されます。

 

 

日本在住の先生方なら、日本語を話されることもあります。しかし、一般的にチベット人の先生方は日本語を話されません。チベット人の高僧は日本語を学ぶ機会もなかなかありませんし、日本語で教えを説く機会もなかなかないからです。

 

 

そうなると、教えは英語やチベット語で説かれることになります。最近は中国語で教えを説かれる場合もあります。参加者がこうした外国語が堪能でないのならば、通訳者の力に頼る他ありません。

 

 

通訳者は英語やチベット語や中国語の法話内容を、即座に日本語に通訳してくれます。一見するとごく当たり前のように思うかもしれませんが、とくにチベット語の通訳は並大抵のことではできません。その習得が難しいのです。

 

 

英語や中国語といった人気のある外国語ならば、日本語で書かれた文法書や辞書が簡単に手に入ります。ところが、チベット語の場合事情は大きく異なります。

 

 

たしかに日本語で書かれたチベット語の文法書や辞書も、現在なら数点あります。旅行会話くらいならそれで十分ですが、込み入った話や法話を通訳するとなると語彙などの点でどうしても足りないのです。

 

 

私がチベット語を学び始めたとき入手できたのは、たったひとつの蔵英辞書(Tibetan-English dictionary)だけでした。しかもそれは、100年近くもまえにインド人のチベット学者が編纂したもので、文字が小さくつぶれていて、とても使いづらいものでした。

 

 

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目がしょぼしょぼしてしまう・・・。

 

 

いま法話会で通訳してくれる人々の多くが、大変な苦労の末チベット語を習得してきたのです。日常会話ぐらいならそれほど難しいことではありませんが、高度な密教やゾクチェンの教えを正確に通訳できる人は、数えるほどしかいらっしゃいません。

 

 

また、法話会によっては、本格的にチベット語経典の日本語訳が配布されることがあります。こうした翻訳をしてくれる方々も、通訳者と同じ苦労をしています。

 

 

こうした人たちはチベットの文化に愛着がありますし、少しでもチベットと日本の橋渡しをしたいという気持ちで、ほとんど手弁当で通訳をかってでているのです。

 

 

くりかえしますが、チベット語は大変な苦労によって習得されます。とくに高度な教えや瞑想を通訳したり、その経典を翻訳することは大変な時間と労力がかかります。なぜならば、辞書も資料もなかなかいいものがないからです。

 

 

通訳してくれる人も、翻訳してくれる人も、善意だけで大変な仕事を引き受けてくれるのです。でも、私がいろいろな法話会に参加するたびに思うのは、あまりに通訳者や翻訳者に対してみなさん冷たいということ。

 

 

参加費を出しているから、通訳するのはあたりまえ、お経を翻訳するのはあたりまえと、みなさん考えているような気がしてなりません。私自身いままで何度かチベット語の通訳をかってでたり、経典の翻訳を提供してきましたが、その度ごとに、いや~な気持ちに包まれまれた経験があります。

 

 

もっと、通訳してくれる人や翻訳してくれる人に対して敬意を払いたいものです。悪口を言うのはやめて、感謝の気持ちを伝えましょう。そして、彼らが仕事をしやすいように道を開けたり、資料を配布したりすることを手伝いたいものです。

 

 

彼らが通訳や翻訳することを止めたら、あっというまに全滅。チベットのダルマの教えに接する機会がなくなります。彼らの代わりは、どこにもいないのですから。

 

 

 

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初心者向け瞑想教室 in 大阪

ひさしぶりに、大阪で初心者向け瞑想教室をはじめます。この初心者向け瞑想教室では、加行と呼ばれる瞑想を伝授していきます。詳細とお申込みはこちらから。

 

 

日時:2019年4月7日(日)開場13:45 開始14:00 終了予定16:00

場所:城東区民センター 中会議室

長堀鶴見緑地線今里筋線蒲生四丁目駅」1番・7番出口から徒歩約5分 、または京阪電鉄野江駅から徒歩約8分

 

 

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数珠売りの少年

 

 

加行とは入門者向けの教えで、チベットでは出家者だけでなく普通の人でも取り組んでいます。この加行では、ブッダの教えの基礎を体験的に習得していきます。

 

 

第一目のテーマは「無常」。無常というのは森羅万象が常に移り変わっていく事実です。「無常がブッダの教え!?」と驚かれる方も少なくありませんが、とても大切な教えです。

 

 

無常とは、世の中が常に変化していくことを意味します。変化していくことは悲しいことだと、ついつい思いがちです。ところがブッダの教えのなかでは、変化とは同時に可能性だと説かれています。

 

 

なぜならば、今私たちが体験している苦しみや悲しみも、いつか終わりがくるからです。そして、ちっぽけな私たちもブッダの悟りに到達できる可能性があるということだからです。

 

 

この「無常の瞑想」は一番初めに取り組む瞑想です。ですが、なかなかあなどれない力を持っています。一週間から二週間、真剣にこの瞑想に取り組めば、はっきりとした心の変化が現れてきます。

 

 

ですからぜひ、瞑想やブッダの教えに興味のある方に取り組んでいただきたいと、いつも思っています。

 

 

 

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雑音で瞑想できない( TДT)

あなたの瞑想が上手くいかないのは、ひょっとすると音が原因だからではないでしょうか?床の上にジッと座って、心のなかを空っぽにしようとします。はじめのうちは上手くいくかもしれませんが、どこからともなく音が聞こえてくると途端にその音で瞑想が邪魔されてしまいます。

  

 

それは隣の部屋から聞こえてくる音楽だったり、外の道路を走るトラックの音だったり、テレビ放送のタレントのトークだったりさまざまです。ひとことで雑音という言葉でくくることができるでしょう。

 

 

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このようにさまざまな生活音や雑音によって気が散ってしまい、瞑想を続けることができなくなってしまう。瞑想初心者アルアルのひとつです。

 

 

ですからはじめのうちは静かな環境で瞑想するといいでしょう。静かな室内、人気のない山や公園や海辺まで足を運び瞑想するのです。しかし、それでも瞑想が上手くいかないことがあります。

 

 

自然が豊かな場所にいてもさまざまな音が聞こえてくるからです。風の吹く音、川の流れの音、鳥のさえずり、海の波の音、遠くで吠える犬など。音がしなくなったと思ったら、今度は自分のお腹が空腹でグーグー鳴ります。

 

 

時間と交通費をかけてせっかく遠くまでやってきたのに、どこに行っても音が気になり瞑想に集中できません。どうしてでしょうか?そしてどうしたらいいのでしょうか?

 

 

世界中のどこに行っても音のない場所などありませんし、それどころか自分の身体から音が鳴ることもあります。音から完全に逃げることはとても難しい話かもしれません。

 

 

でも実際には、音がうるさくて瞑想できないのではなく、「うるさい」と考えている自分の思考の方がよっぽどうるさく煩わしいのです。ゾクチェンパといわれるレベルの人はこのことをよく知っています。

 

 

瞑想中ゾクチェンパは思考に煩わされなくなりますから、喧噪渦巻く繁華街でも瞑想することができるのです。「うるさい場所でも瞑想できる」という話をすると驚かれますが、とりたてて驚くことでもないのです。

 

 

たとえどんなに人里離れた場所まで足を運んでも、自分の頭のなかが思考でいっぱいならば、衣擦れのようなわずかな音でも瞑想の邪魔になります。一方、思考に煩わされなくなるとどんな騒音のなかでも瞑想することができるようになります。

 

 

うるさいのは音ではなく、自分の思考なのです。

 

 

なるほど、ゾクチェンパならばどんなうるさい場所でも瞑想できるとしても、瞑想初心者の場合にはどうしたらいいのでしょうか?その場合は、なるべく静かな場所で瞑想して、瞑想中に音が聞こえてきても気にしないことです。

 

 

 

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瞑想中に見える光の粒

私の瞑想教室では、青空を見つめるゾクチェン瞑想を参加者みんなで実習しています。この瞑想中に光の粒が見えると、興奮しながらお話される方がいます。青空のなかに小さな光の点がたくさんあらわれ、視界のなかをさまようのが見えるのです。(挿入画参照)

 

 

 

「目が病気になったのでしょうか?」とか、「意識に問題が起きたのでしょうか?」と不安や疑問に思われるようです。この光はチベット語でティクレと呼ばれるもので、日本語では光滴とか円輪と翻訳されているものです。英語の書籍のなかでこの光は、クイックシルバー(水銀)にたとえられることがあります。この光はゾクチェンの教えを理解するためにキーとなる体験です。

 

 

 

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この光が現れてきたとき、考察すべきことが二点あります。ひとつ目は、あなたにはこの光が見えていても、他の人には見えていないということです。つまり二元論や客観性を超えている体験だということです。

 

 

 

二つ目は、その光源がどこにも見つからないということです。眼球のなかにも、脳のなかにも、身体のなかにもその光源は見つかりません。もちろん、外界にあるわけでもありません。このことから、この光は自分の心から直接生み出されたものだと結論付けることしかできません。

 

 

 

この二つの考察から、心には二元論や客観性を超えた光を生み出す能力が備わっているということが体験的に理解できるはずなのです。

 

 

 

心はたんなる空っぽな空間ではなく、そこには森羅万象がエネルギーとして最初から備わっている。それがゾクチェンが説いている「自発的完成性」の教えなのです。青空を見つめる瞑想中に見える光の粒は、この自発的完成性を理解するための道しるべなのです。

 

 

 

そして、心から放射される青白い光こそが、あなたが今体験している二元論的な意識の本当の姿であり、外界に広がる森羅万象の本当の姿であり、あなたの身体の本当の姿なのです。

 

 

 

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