三宝に帰依します。
シェルパのポルパはシリーズものの絵本で、合計三冊出版されている。シェルパはネパール側のエベレスト地域に住んでいるチベット系の住人のことだ。
生まれながらに標高の高いところに住んでいるため、高山病にかかるリスクが少ないのだろう。登山隊の荷上げやガイドを生業にしている人も多い。
いつもは登山隊の陰に隠れている彼らだが、世界最高峰への憧れも強いはずだ。主人公のポルパ少年もその一人だ。
私たちが接するエベレスト登頂のニュースの主人公は、いつも欧米人や日本人だ。しかし、通算回数最多の記録を持っているのは、シェルパ族のカミ・リタ・シェルパ氏だ。
縁の下の力持ちには光が当たらないことも多い。この絵本の著者石川直樹氏はそのことをよく知っているのだろう。
この絵本の物語は、荷物運びとして登山家の陰に隠れているシェルパ族の気持ちをよく代弁している。読者である子どもたちにその気持ちまで伝わることを、私は願う。
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